ふじ原

 名古屋テレビ塔近くのビルにある店主こだわりの居酒屋。ビルはとても新しいようだが、どうやら、2016年4月にこのビルに移転してきたらしい。3階奥にある店の扉を開けると、さらに細く薄暗いL字型の通路が続き、奥にまた扉がある。扉を開けると、店内は右側にカウンター席、左側にテーブル席と手前に個室がある。
 メニューを見ると、手書きとは思えないくらいビッシリと料理が書かれており、ざっと見ても100品以上はありそうだ。しかも、どの料理にも値段が書いておらず、初めて行く客はビビってしまうかもしれない。長い紙にズラッと書かれた、値段表記のないお品書きを見たのは、大阪北新地の「さか本(→ 大阪グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」以来である。しかし、後で会計をしてみると、「ノドグロ」や「キンキ」など、よほどの高級品を注文しない限り、素材や料理の質に見合ったリーズナブルな値段である。日本酒は純米吟醸のみで品揃えも少ないが、メニューに書かれていないものもあるので、店主に要相談である。
 料理はどれも素材の質が最高で、京都や大阪の一流料理店に勝るとも劣らない。居酒屋でこのレベルの素材を仕入れている店は、大阪の「ながほり(→ 大阪グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」か京都の「魚とお酒 ごとし(→ 京都グルメバイブル・居酒屋の頁を参照)」くらいしか思いつかないほど。塩加減や火の通し方はもちろん、どの料理も素材の旨味を見事に引き出していて良かった。それにしても、強面の大将はスタッフにはかなり厳しいようだが、我々客には最高のおもてなしをしてくれる。(2018年4月追加)

名古屋市東区泉1丁目14-23 ホワイトメイツ3階  
電話番号:052-959-5513
定休日:日曜
営業時間:17時〜23時
予算:一人1万円くらい
アクセス:市営地下鉄・桜通線、名城線「久屋大通駅」1A出口を出て、名古屋テレビ塔を背にして久屋大通を進む。次の信号手前(ファミリーマートあり)の右側に白いビルがあるので、そこの3階。久屋大通駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:名古屋テレビ塔、久屋大通公園
お勧めポイント:名古屋ナンバーワンの居酒屋

この新しいビルの3階にあります入口の扉を開けると・・・ さらに細く薄暗いL字型の通路が続き・・・ 奥にまたガラスの扉がある 扉を開けると、右側にカウンター席 左側にテーブル席と手前に個室がある お品書き1。とにかく巻物のように長く、ざっと見ても100品以上はありそうだ お品書き2 お品書き3 お品書き4 お品書き5 お品書き6 日本酒は純米吟醸のみで品揃えも少ないが、メニューに書かれていないものもあるので、店主に要相談 良い店は突き出しからして美味しい。右から2つめのメヒカリが美味しかった 「刺身の盛り合わせ」は、左からスミイカ、イワシの炙り、桜鯛、コハダの昆布締め、サヨリ、生のトリ貝。見た通り、どれも最高レベルの素材であるが、とくに生のトリ貝が秀逸。残念ながら、愛知特有の「生シャコのお造り」は売り切れだった 「天然スッポンの小鍋」には、日本料理としては珍しく、黄ニラが入っていた よそるとこんな感じ。生姜がそれほど効いていないが、天然物は臭みが一切なくて美味しい 自家製の干し物だが、何か忘れた 「太刀魚の焼き物」は、シットリと焼き上がってきた。スルメと和えた里芋が何とも言えない珍味 お勧めの焼き物は「稚鮎の一夜干し」と、愛知の珍味「串あさり」 「稚鮎の一夜干し」は、今まで食べた稚鮎料理の中で最高の美味しさ。もしかすると、琵琶湖の「焼きモロコ」よりも美味しいかも 愛知の居酒屋ではよく見かける珍味「串あさり」も日本酒にピッタリ!
愛知県産「干し青柳」も、青柳の良い香りが凝縮された最高の珍味。生で食べるよりも美味しいかも 愛知県の銘酒「長珍」の純米・播州夢錦・生は、洗練されたフルーティーさと純米特有のアミノ酸度のバランスが秀逸で、山形の十四代を彷彿させる
友人の小椋先生がたまに食べているメニューにない「とんかつ」を注文したら・・・ こんな分厚いロース肉が出てきた 「鯨のさえずりの大根煮」は、鯨の専門店のサエズリよりも質が良く美味しい
「サヨリの骨の素揚げ」は、カリカリとして香ばしい 「サヨリの皮の焼きもの」は、塩が足りなくて物足りない味 「とんかつ」の登場 揚げ方は良かったが、パン粉もソースも含めて、残念ながら専門店レベルには到達していなかった。「牛ヒレカツ」か「車えびのフライ」の方が良かったかな? 醤油とウスターソース、辛子 余ったとんかつは「カツサンド」にしてくれ、お持ち帰りもできる。もう少し辛子とソースを増やして味が濃い方が美味しいと思う 「苺の杏仁豆腐」は食感がイマイチカツサンドで使用したパンの耳は、揚げて山椒と砂糖をまぶしてくれた