local Chinese foodシーファン

 以前中国を訪れたときに、「家常菜(ジャーチャンツァイ)」という看板をよく目にした。一緒に行った金先生によると、「家庭料理」のことだという。つまり、「北京家常菜」とは北京の家庭料理、「南方家常菜」は中国南地方の家庭料理という意味となる。そんな看板の出ている店に入ってみると、どの店もセロファンのような透明シートでラッピングされた食器類が予めテーブルにセッティングされていた。出てきた料理を、各自がそれを使って取り分けて食べるのである。なぜラッピングされているの?と金先生に尋ねると、その方が中国人が清潔そうに感じるからと答えた。「家常菜」のメニューは、現地の高級中華料理店とも異なり、日本の中華料理店ではあまり見かけないようなメニュー並んでいる。最近東京では、「ガチ中華」と呼ばれるこのような「家常菜」の店が増えてきているようだが、やっと札幌にもこの流れが押し寄せてきたようである。
 薄野にある古いビルの3階でエレベーターを降り、店内に入ると、右側にオープンキッチンのカウンターが、そして左側にテーブル席がある。中華料理店としてはやや狭めであるが、店主がワンオペで営業することもあるので、この広さが限界なのかも。
 ドリンクメニュー見てまず目に留まったのは「青島ビールIPA」。口に含むと、カラメルのような濃厚な香りに、ほんのりとした甘みが加わる。IPAであるにもかかわらず苦味が抑えられており、フルーティーさもあって飲みやすい。フードメニューには、いろいろな魅力的なメニューが並んでいる。ローカルチャイニーズフードと言いながらも、メニューは四川料理が中心となっている。何時も言っていることだが、良い店はお通しからして美味しい。ある日のお通しは「ビン長マグロのワサビ刻みガリ醤油和え」だった。意表を突くように和風だったが、それはそれでシンプルで美味しかった。また、ある日の「サクラマス(本マス)のマヨネーズ和え」は、身がしっとりとして火の通し方が完璧。作り置きでないこだわり感じた。
 フードメニューの一押しは、「四川風麻婆豆腐」。なんと!北海道でも東京でも滅多に見かけない葉ニンニクを使用しており、花椒の香りも唐辛子の辛さもドンピシャで最高の逸品。前菜としてビールにピッタリなのが「干し豆腐の辛味和え」と「パクチーサラダ」、「ハチノスの麻辣和え」、「よだれ鶏」、「センマイの香辣ごまソース添え」など。「干し豆腐の辛味和え」は、パクチーの香りと唐辛子の辛味、そして干し豆腐の食感がビールとよく合う。「パクチーサラダ」は、ラー油味と酸味、パクチーが一体となっており、パクチーが苦手な僕でも美味しいと感じられる。「ハチノスの麻辣和え」は濃いめの味付けながら、ハチノスの柔らかい弾力が素晴らしい。さらに、花椒の香りとニンニク、ラー油、そしてパクチーと白髪ネギとの相性も絶妙だ。「よだれ鶏」は、甜麺醤の甘みとラー油の辛味のバランスが良く、ソースが洗練されていてパクチーともよく合う。「センマイの香辣ごまソース添え」は、いわゆる棒棒鶏ソース味。センマイの歯応えがよくサッパリと臭みもなくお勧め。
 点心のお勧めは「焼売」。点心専門店ではないので作り置きだと思うが、とてもジューシー。少し甘めの味付けながら、豚肉の粗挽き感がとても良い。もしも作り立てのものなら、「茶月斉(→ 札幌グルメバイブル・中華料理の頁を参照)」の「千歳・原木椎茸シュウマイ」と並ぶ北海道でトップクラスの焼売かもしれない。
 熱菜でお勧めなのは前出の「四川麻婆豆腐」の他に、「鶏モミジの豆豉蒸し」と「豚バラ軟骨の海老味噌揚げ」、「本日の青菜炒め」。「鶏モミジの豆豉蒸し」は、豆豉とパクチーのバランス良く美味しい。「豚バラ軟骨の海老味噌揚げ」はジューシーで、海老味噌とは思えないくらいクセがなく、塩味もピッタリ。「本日の青菜炒め」は青菜のピリ辛ニンニク炒めだが、シンプルなだけにスキルを感じる品。ターツァイや空心菜いずれも美味しいが、とくにシャキシャキ感の強い空心菜がお勧め。
 この店ではWoltのデリバリーも行っているせいか、薄野エリアにあるにもかかわらず、昼から夜までの通し営業で行っている。なので、昼飲みのパラダイスと言っても過言ではない。ハッピーアワーには、通常のグランドメニューの他に、ハッピーアワー限定のメニューもある。ハッピーアワー限定の「海老のスパイスパン粉がけ」は、プリプリとした海老の食感にクミンが香り、お勧め。「本日の青菜炒め」も、ハッピーアワー限定の方が安い。
 店主はまだ若く、塩味や甘みのブレは多少あるものの、どの料理も質が高く将来性を感じさせる。正直なところ、今は1.5星くらいであるが、トップクラスの麻婆豆腐が食べられることや、北海道ではなかなか食べられないローカル中華が食べられることなどを考慮して、今回は2つ星とした。ちなみに、食べログからでも予約ができ、昼間から質の高い料理とともに飲めるなど、とても使い勝手がよい店である。(2023年6月追加)
https://www.instagram.com/xihuan.915/

中央区南4条西5丁目10-1 つむぎビル3階 
電話番号:080-6089-5760
定休日:不定休(食べログの予約サイトで確認できる)
営業時間:13時〜23時
予算:ハチノスの麻辣和え780円、四川麻婆豆腐980円、豚バラ軟骨の海老味噌揚げ890円
アクセス:地下鉄・南北線すすきの駅2番出口を出て、オレンジ色の札幌東急REIホテルが見える方向に進む。ファミリーマートを過ぎ、F45ビルが見えたらその隣のビル。すすきの駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:薄野交差点、札幌東急REIホテル
お勧めポイント:通常の中華料理店ではあまり食べられないローカル料理が味わえる

このビルの・・・ 3階でエレベーターを降りて・・・ 店内に入ると・・・ 右側にオープンキッチンのカウンターが・・・ そして左側にテーブル席がある。中華料理店としてはやや狭めであるが、店主がワンオペで営業することもあるので、この広さが限界なのかも ドリンクメニュー 飲み放題もあります フードメニュー(前菜) フードメニュー(点心) フードメニュー(熱菜1) フードメニュー(熱菜2) フードメニュー(麺、飯) フードメニュー(デザート、火鍋) コース料理は650円と10000円の2コース(2日前までの予約が必要) ドリンクメニュー見てまず目に留まったのは「青島ビールIPA」。口に含むと、カラメルのような濃厚な香りに、ほんのりとした甘みが加わる。IPAであるにもかかわらず苦味が抑えられており、フルーティーさもあって飲みやすい 何時も言っていることだが、良い店はお通しからして美味しい。この日のお通しは「ビン長マグロのワサビ刻みガリ醤油和え」だった。意表を突くように和風だったが、それはそれでシンプルで美味しかった また、ある日の「サクラマス(本マス)のマヨネーズ和え」は、身がしっとりとして火の通し方が完璧。作り置きでないこだわり感じた フードメニューの一押しは、「四川風麻婆豆腐」。なんと!北海道でも東京でも滅多に見かけない葉ニンニクを使用しており、花椒の香りも唐辛子の辛さもドンピシャで最高の逸品 「干し豆腐の辛味和え」 パクチーの香りと唐辛子の辛味、そして干し豆腐の食感がビールとよく合う 「パクチーサラダ」は、ラー油味と酸味、パクチーが一体となっており、パクチーが苦手な僕でも美味しいと感じられる 「ハチノスの香辣和え」 濃いめの味付けながら、ハチノスの柔らかい弾力が素晴らしい。さらに、花椒の香りとニンニク、ラー油、そしてパクチーと白髪ネギとの相性も絶妙 「よだれ鶏」は、甜麺醤の甘みとラー油の辛味のバランスが良く、ソースが洗練されていてパクチーともよく合う 「センマイの香辣ごまソース添え」は、いわゆる棒棒鶏ソース味。センマイの歯応えがよくサッパリと臭みもなくお勧め 「蒸し鶏の葱ソース掛け」。鶏の質自体は骨付き鶏でないのでそれほどではないものの、味付けは結構いい 「ピータンとピーマンの和えもの」は、甘めの味付けながらもピーマンがパリパリしていて美味しい 点心のお勧めは「焼売」。点心専門店ではないので作り置きだと思うが、とてもジューシー。少し甘めの味付けながら、豚肉の粗挽き感がとても良い。もしも作り立てのものなら、「茶月斉」の「千歳・原木椎茸シュウマイ」と並ぶ北海道でトップクラスの焼売かもしれない 「海老ワンタン甘辛ソース」。冷凍しているせいか?皮はベチャっとしているが、餡自体は美味しい。辛くなく、甜麺醤ソースも良い 「鶏モミジの豆豉蒸し」は、豆豉とパクチーのバランス良く美味しい 「豚バラ軟骨の海老味噌揚げ」はジューシーで、海老味噌とは思えないくらいクセがなく、塩味もピッタリ 「本日の青菜炒め(空心菜)」は青菜のピリ辛ニンニク炒めだが、シンプルなだけにスキルを感じる品。とくにシャキシャキ感の強い空心菜がお勧め「本日の青菜炒め(ターツァイ)」 「豚バラ軟骨と高菜の炒め」は、ウスターソースぽっい味付け 「ラム肉のクミン炒め」は甘めで、オイスターソースっぽい味 ハッピーアワー限定の「海老のスパイスパン粉がけ」は、プリプリとした海老の食感にクミンが香り、お勧め 「熟成黒酢の酢豚」は、揚げていないのか?黒酢ソースはあまりトロミがなく、酢豚っぽくない味 「ハチノスの豆豉炒め」は味的に美味しいが、ハチノスに若干の臭みがある  「白麻婆豆腐」は、意外にも豆鼓と花椒の風味。麻婆豆腐っぽいが深みに欠け、お勧めできない 「パクチー焼きそば」は、パクチーたっぷりで辛めの味付け  「太春雨と白菜の麻辣煮込み」は、クリーミーながら塩味強め。唐辛子の辛さを感じさせる東南アジアのエスニック料理 味が濃いめで、太春雨の食感も悪くない 「海老の辛味焼きそば」 「チャーハン」 味付けは甘く、生姜やセロリの香りがタップリ デザートの「テキーラ」は、デザートではなく本当のテキーラだった