レストラン アグリスケープ(Restaurant AGRISCAPE)
2019年にオープンした農業レストラン。店を運営するのは、円山のフレンチ「SIO」のオーナーシェフであった佐藤陽介シェフ。当初は円山と2店体制でやっていたが、現在「SIO」は売却され、全くの別経営である「SIO syuji hijikuro」となった。
佐藤シェフは「ピエール・ガニエール東京店(=佐藤シェフがいた青山店は既に閉店し、現在は赤坂にリニューアルオープン → 銀座グルメバイブル・フレンチの頁を参照)」の出身。ピエール・ガニエールといえば、“分子ガストロノミー”という科学的な前衛的料理手法を実践するフランスの3つ星レストランである。以前の料理は、多少インスパイアしていた面もあったが、現在の料理は彼が理想とする料理に進化した。今でも佐藤シェフは厨房に立っているが、現在この店を任されているのは、彼の愛弟子である吉田夏織シェフ。「イルギオットーネ丸の内」や「ル・ミュゼ」で腕を磨き、「SIO」時代から佐藤シェフの右腕として活躍している素晴らしい料理人だ。
この店を訪れるのなら、ランチタイムか、ディナーなら初夏の未だ日のあるうちに訪れたい。周りの緑が、ここが札幌市内のレストランである事を忘れさせてくれる。何故こんな山の中に?かというと、円山「SIO」時代に、タマネギを仕入れていたこの地の農家さんに後継者がおらず、シェフの自分で野菜を作りたいという思いが一致し、この地にレストランを移転したという。しかしながら、熊が出るほどの立地にあるにもかかわらず、地下鉄円山公園駅からタクシーで1600円ほどと、意外にもアクセスは悪くない。
今回は、この店で最も高い19800円のコースをチョイス。「SIO」の頃は、まず、その日のメイン料理の素材となる肉を見せてくれて、客が選ぶことができたが、素材にストイックとなった現在は残念ながらできない。その代わりに、本日のコースで登場する様々な野菜たちを披露してくれる。また、「SIO」の時代に比べると、コースの値段が2倍近くになり、コスパこそ悪くなったが、その分、ロケーションも含めて非日常的な特別感が味わえるようになった。
コースの前菜を飾るのは、もちろん野菜料理である。一皿目の「ホワイトアスパラのアイスとスープ、チキンスープのジュレ」は、滑らかでヒンヤリとしたホワイトアスパラのアイスと凝縮されたチキンジュレ、刻んだホワイトアスパラが一体となっていて素晴らしい。塩味もピッタリで、驚くほど洗練された味だ。次の野菜料理は、「越冬百合根のムースとウドのフリット フキノトウパウダー」。百合根の甘味とウドやフキノトウの苦みのコントラストが、何とも言えない美味しさとなっている。「大根のクリーム煮と大根のニンニククリームソース」は、シラスや山ワサビ、コーンフラワーがちりばめられ、しっかりとした高級感のある料理に仕上がっている。「ポアロネギ(リーキ)のテリーヌ 自家製生ハム添え」は、鶏レバームースとリンゴペースト、札幌黄タマネギペーストを混ぜ、トロトロの甘いネギにつけて食べるともう最高である。「冷たいブイヤベース」には、 チーマ・ディ・ラーパ(イタリアの菜の花)や甘海老が入り、フェンネルのピクルスやカリカリのアラレがアクセントになっている。さらに、サフランの香りが、エキゾチックな味わいに仕上げている。魚料理は、「マツカワガレイのスープ仕立て」。フックラとしたマツカワガレイの他に、ホタテのムースやシジミ、原木椎茸などが入っており、リベッシュ(ハーブ)で香りづけされたスープがサッパリとした重厚感を与えている。「余市産ムラサキウニとアスパラの冷製パスタ」は、カッペリーニよりも太めのパスタを使用。口直しの「クルマバソウのアイス 苺添え」は、一緒に食べるとまるでキウイを食べているように甘酸っぱい食感。メインを飾るのは、「炭火焼き若鶏のロースト(120日目のプレノワール)と仔牛のロースト」。シンプルな塩味ながら、炭火で焼いた香ばしさがあり、とてもジューシー。そのまま食べても美味しいが、添えられたバナナソースと梅のソースで味変も可能。さらに、「2種類の自家製蜂蜜とチーズ」、「牛乳と玉子のプディング アイス添え」、飲み物、「ライ麦のフィナンシエと梅酒の琥珀」と続き、満腹のうちに終了となった。
ちなみに、近くの道路に看板も出ていないので分かりづらいが、マルヤマクラス前に停車していたタクシー運転手の多くは、この店のことを知っていた。(2022年7月追加)
http://www.agriscape.jp
西区小別沢177
電話番号:011-676-8445
定休日:不定休(完全予約制)
営業時間:【ランチ】12時10分〜13時、【ディナー】
17時40分〜19時半
予算:【ランチ】4400円〜19800円、【ディナー】13200円〜19800円
アクセス:円山公園駅から車で小別沢トンネルを目指して向かう。トンネルを過ぎて道を下ると、左に「さくら農園」が見えるので、そこをUターンするように左折する。両側にレストランのハウス畑が見えたらその先。円山公園駅から車で約15分
最寄りのランドマーク:小別沢トンネル、さくら農園
お勧めポイント:自家農園で作るフレッシュな無農薬野菜の料理が素晴らしい
小別沢トンネルを過ぎて道を下ると、左に「さくら農園」が見えるので、そこをUターンするように左折する。両側にレストランのハウス畑が見えたらその先に、このレストランが見える
入口左に、店の製品を販売するショップがある
「SIO」の頃は、まず、その日のメイン料理の素材となる肉を見せてくれて、客が選ぶことができたが、素材にストイックとなった現在は残念ながらできない。その代わりに、本日のコースで登場する様々な野菜たちを披露してくれる
一皿目の「ホワイトアスパラのアイスとスープ、チキンスープのジュレ」は、滑らかでヒンヤリとしたホワイトアスパラのアイスと凝縮されたチキンジュレ、刻んだホワイトアスパラが一体となっていて素晴らしい。塩味もピッタリで、驚くほど洗練された味だ
次の野菜料理は、「越冬百合根のムースとウドのフリット フキノトウパウダー」。百合根の甘味とウドやフキノトウの苦みのコントラストが、何とも言えない美味しさとなっている
「大根のクリーム煮と大根のニンニククリームソース」
シラスや山ワサビ、コーンフラワーがちりばめられ、しっかりとした高級感のある料理に仕上がっている
「ポアロネギ(リーキ)のテリーヌ 自家製生ハム添え」は、鶏レバームースとリンゴペースト、札幌黄タマネギペーストを混ぜ、トロトロの甘いネギにつけて食べるともう最高である
「冷たいブイヤベース」には、 チーマ・ディ・ラーパ(イタリアの菜の花)や甘海老が入り、フェンネルのピクルスやカリカリのアラレがアクセントになっている。さらに、サフランの香りが、エキゾチックな味わいに仕上げている
魚料理は、「マツカワガレイのスープ仕立て」。フックラとしたマツカワガレイの他に、ホタテのムースやシジミ、原木椎茸などが入っており、リベッシュ(ハーブ)で香りづけされたスープがサッパリとした重厚感を与えている
「余市産ムラサキウニとアスパラの冷製パスタ」は、カッペリーニよりも太めのパスタを使用。間違いない美味しさ
口直しの「クルマバソウのアイス 苺添え」は、一緒に食べるとまるでキウイを食べているように甘酸っぱい食感
メインを飾るのは、「炭火焼き若鶏のロースト(120日目のプレノワール)と仔牛のロースト」。お腹いっぱいなので、小さめのポーションにしてもらった。シンプルな塩味ながら、炭火で焼いた香ばしさがあり、とてもジューシー。そのまま食べても美味しいが、添えられたバナナソースと梅のソースで味変も可能
裏庭で飼っているミツバチが作った2種類の自家製蜂蜜
チーズと一緒にいただく
「牛乳と玉子のプディング アイス添え」
「ライ麦のフィナンシエと梅酒の琥珀」と飲み物で終了となる