桃花源

 熊本キャッスルホテル内にある熊本を代表する中華料理店。地方の有名店がそうである様に、この店も東京の銀座に支店(→ 銀座グルメバイブル・中華の頁を参照)をもつ。
 ロビーの前を通って地下への階段を下りると、店の入口の前に出る。店内に入ると、銀座店よりも箱が狭い印象。細長い空間にテーブルがひしめき、奥には宴会ができる個室スペースもあるようだが、ホテルのメインレストランとしては狭い部類に入るだろう。
 銀座店が美味しかっただけに、当然本店であるこの店の方が更に美味しいだろうと思いきや、決してそうではなかった。レギュラーメニューは両店とも共通で、よくある四川飯店系のメニューそのもの。レギュラーメニューに関しても銀座店の方が美味しいが、更に季節のメニューにおいても銀座店の方が美味しい。言い換えれば、銀座店の方が創作性が高く、工夫がみられるのである。しかしながら、唯一「フカヒレの姿煮」に関しては、こちらの店の方が遙かに美味しい。つまり、この店に来たのなら、「フカヒレの姿煮」を食べずして帰るべからずとも言えるのである。銀座店よりも甘さが抑えられた完璧な湯(スープ)だ。フカヒレも柔らかく戻されており、乾物特有の嫌な臭みなど一切ない。昨今の店では、工場でボイルして真空パックした硬く風味のないものを出す店が増えているが、それらとは全く異なる本格的な素晴らしいフカヒレだ。香港や北京でも、この値段でこのレベルの「フカヒレの姿煮」には滅多に出会えない。先ずはそのまま食べ、残り1/3をスープと一緒に白米にかけ、スープごとレンゲですくって食べるともう至福である。予算の関係でそれはちょっとという方は、「フカヒレ湯麺」を食べればその片鱗を伺うことができるだろう。湯麺のフカヒレは1万円の「フカヒレの姿煮」のような乾物特有の深みのある味ではないが、値段を考えれば十分ボリュームがあり、中細ストレート麺のコシもちょうど良く、何よりもスープが美味しくお勧めである。
 もう一つこの店の特筆すべき点は、中華料理店では珍しくサービスが良いことだ。赤いチャイナ服姿の女性サービス陣はどの方も微笑みを絶やさず、キビキビとしていて心地よい。また、一人客にはハーフサイズを用意してくれるという点も良かった。(2019年5月追加)
https://www.hotel-castle.co.jp/restaurant/tokagen

熊本市中央区城東町4-2 熊本ホテルキャッスル地下1階   
電話番号:096-326-3368
定休日:無休
営業時間:11時半~21時
予算:白油鶏(小)1600円。乾焼蝦仁(小エビのチリソース煮込み、小2200円)、紅焼魚翅(フカヒレの姿煮込み)10000円、フカヒレ湯麺2500円
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、「ダイコク」、「JINS」、「アパマンショップ」側に渡る。左(熊本城側)へ進み、最初の交差点を過ぎ、「熊本城東郵便局」、「日本郵便株式会社九州支社」の角を右折すると、すぐ右側に見えるビル。通町筋電停から徒歩10分
最寄りのランドマーク:熊本城東郵便局
お勧めポイント:四川飯店の創業者・陳 建民の味を受け継ぐ有名店

ロビーの前を通って地下への階段を下りると、店の入口の前に出る ココです! 店内に入ると、銀座店よりも箱が狭い印象。細長い空間にテーブルがひしめき、奥には宴会もできる個室スペースもあるようだが、ホテルのメインレストランとしては狭い部類に入るだろう 「白油鶏」は思った通りの美味しさ。僕のお勧めの一つだが、銀座店の方が更に肉がシットリとしていて美味しかった 「棒々鶏」は外れのない美味しさ。鶏肉は多少パサパサしている。銀座店の様にもう少しシットリしていれば良いのだが 「雲白肉(薄切り豚肉辛味ニンニクソース掛け、小1800円)」は、鶏肉とキュウリが別盛りで供される 肉もパサパサと脱水気味で、ソースは後味に苦みが残る。お勧めできない この店に来たなら、これだけは食べていきたい「紅焼魚翅(フカヒレの姿煮込み)」 銀座店よりも甘さが抑えられ、完璧な湯(スープ)だ。フカヒレも柔らかく戻されており、乾物特有の嫌な臭みなど一切ない。昨今の店では、工場でボイルして真空パックした硬く風味のないものを出す店が増えているが、それらとは全く異なる本格的な素晴らしいフカヒレだ。香港や北京でも、この値段でこのレベルの「フカヒレの姿煮」には滅多に出会えない 乾焼蝦仁(小エビのチリソース煮込み)は、安定した味 「特上フカヒレとカニミソ煮込み(1600円)」 凄く美味しいというほどではないが、この店ではまあまあ美味しい方の部類に入ると思う。パクチーは入れても良いが、赤酢は入れない方が美味しい 季節のメニュー「海老の辛子マヨネーズ」 どこに辛子が入っているのか分からないくらい単なるエビマヨの味。しかも、単調なマヨネーズの味しかしない。味に深みがなく完成度が低すぎで、しかも海老に火が通り過ぎていた 「麻婆豆腐」 オーソドックスな四川飯店風のものと、山椒が効いた四川風のものの2種類がある。今回は四川風の山椒入りの方を注文。これがイマイチだった。山椒が足りなくて味に締まりがない。また、豆豉が効き過ぎていてバランスが悪い。なので、もしも注文するときには、初めに山椒を効かせてくれるよう、言っておかなければならない 季節のメニュー「生キクラゲと豚肉の炒めもの(1800円)」 辛いものと辛くないものを選べるが、辛い方をチョイス。ピリ辛の生姜、ネギ、ニンニク香りがする。生キクラゲはプリンとした食感が良かったが、全体的に特徴がない 「フカヒレ湯麺」 湯麺のフカヒレは1万円の「フカヒレの姿煮」のような乾物特有の深みのある味ではないが、値段を考えれば十分ボリュームがあり、中細ストレート麺のコシもちょうど良く、何よりもスープが美味しくお勧めである。