ラ・シーム LA CIME
大阪瓦町にある完全予約制のフレンチ店。ビルの1階にある店内は天井が高く、白を基調としたインテリア。入口側にはカーテンでパーティション可能な円形のテーブルスペースが、そして奥の右側には庇と言おうかルーフバルコニー風の鮮やかな朱色の壁のテーブル席がある。ルーフバルコニーの木の柱には鳥籠が吊されていたり、無地と幾何学模様の緑の椅子が交互に配置されているなどアーティスティックなインテリアが面白い。
この店のシェフはパリの「ムーリス」で修行したそうだが、今回食べた料理は、僕が「ムーリス」で食べた料理とは全く異なるシェフのオリジナル料理であった。料理全体を一口で説明するのは難しいが、例えて言えばスペインにあった「エル・ブジ」風のサプライズ重視のモダンフレンチである。いろいろな食材やスパイス,ハープなどの組み合わせが複雑すぎて、目指す方向性が見えず、今回のコースで出てきたものの中にも、この組み合わせが本当に美味しいの?と理解しがたいものもいくつかあった。これを斬新で革新的なフレンチとするか、もっとシンプルに素材の味を引き出すフレンチこそモダンフレンチと考えるかは、食べる客次第であろう。一方、デザートのレベルはかなり高く、出色の出来栄えであった。今回の料理は1つ星の評価としたが、それでも限りなく2つ星に近い1つ星と考えていただきたい。
それにしても、この店の2人のソムリエによるサービスは淀みなく素晴らしい。ホスピタリティもあり、実にハイレベルなサービスをする。また、グラスワインもシャンパンが1種類、白が4種類、赤が4種類、さらに料理に合わせたペアリングワインのコースがあるなど充実している。特筆すべきは、通常のフルグラスの他にハーフグラスが用意されていること。ちなみに、メニューの中には何故か埼玉の地ビール・コエドビールが3種類あった。(2015年9月追加)
http://www.la-cime.com
大阪市中央区瓦町3-2-15 瓦町ウサミビル1階
電話番号:06-6222-2010
定休日:日曜
営業時間:12時~13時、18時半~20時
予算:【ランチ】5300円、10800円、【ディナー】8100円、10800円、16200円
アクセス:地下鉄御堂筋線・本町駅・1番出口を出て右へ御堂筋を進む。すぐに、「本願寺津村別院」や「デイリーヤマザキ」がある「備後町3」の交差点を右折する。京都グルメバイブルで紹介した 「長岡京 小倉山荘(→ 京都グルメバイブル・お土産のページを参照)」 を過ぎた次の交差点を左折するとすぐ左側。本町駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:本願寺津村別院
お勧めポイント:モダンフレンチ
店へ向かうときに通る 「長岡京 小倉山荘(→ 京都グルメバイブル・お土産のページを参照)」 。帰りにお土産として「嵯峨乃焼」を買って帰りたいこのビルの角を左折するとすぐ
このビルの1階
左の円形に突き出た部分が、カーテンでパーティション可能な円形空間のテーブルスペース
右の奥に見えるのが、カーテンでパーティション可能な円形空間のテーブルスペース
ルーフバルコニー風の鮮やかな朱色の壁のテーブル席
グラスワインメニュー1
グラスワインメニュー2
今回はランチの10800円のコースをチョイス。最初に出てきたのは「アミューズ5種類」
右側3つは特にコメントすることがない
左から2番目のブータンノワール(血のソーセージ)を炭入りアメリカンドッグ風にアレンジしたものは美味しかった。左のラビオリのような形をしたものは、チーズとピスタチオ入りのパイ包み焼きのようなもので、これも美味しかった
生のタコとゴーヤにレモンソースを瞬間冷凍したソルベをかけたもの。これは微妙
混ぜるとこんな感じ
パンは小麦が香り、中がしっとりとして美味しい。思わずお代わりしたくなるほど。デンマーク産のバターのもコクがあっていい
函館産イワシとオクラのトマトソース
手前がパプリカのソース、左のオレンジ色の粉がトマトパウダー、右の白い粉は何かの粉だったか忘れました
円筒状のフォアグラと冷凍して削ったフォアグラの盛り合わせに酸味のあるルバーブとカシスのソースを盛ったものだったかな。東京広尾 「レストラン マノワ(→ 銀座グルメバイブル・フレンチのページを参照)」 で食べたサクランボの形をしたフォアフラに比べると完成度が低かった
焼き茄子のピューレの上にのせられた鰻のソテーは結構美味しかった。上に栗を揚げたものと銀杏がのっている
2つめのパンはバゲット。ライ麦パンのような酸味を感じた
金目鯛のソテー・ガーリックソース。添えられているカボチャみたいのは、ホタテと里芋のムースを蒸して焼いたものだったかな
シェフの出身地の鹿児島牛を1度塩漬けし、ローストしたもの
焼き方はパーフェクト。説明はなかったが、ソースはワインやフォンドボーを煮詰めたような深い味
付け合わせは、ツルムラサキのソテーとクミンなどで煮たカレー風味の古代小麦粉。白いのはココナッツパウダー
メロンのコンポートとミントのソルベ
フランボワーズのデザート。上にのっている緑のバジルのアイスはミスマッチかと思いきやこれはマッチしていた
エスプレッソは香り高く良かった
小菓子はどれも美味しい