麺屋 169
近頃、札幌でも増えてきた中華そばの店。今やこのエリアは、札幌を代表するラーメン店 「えびそば一幻・総本店(→ 札幌グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 や老舗の「らーめん五丈原・本店」、「らーめん てつや南7条本店」などがひしめくラーメン激戦区である。敢えてこのエリアでオープンした店主は、実は和食出身の料理人らしく、丁寧にとられた旨味のあるスープや隠し味の柚子皮からもその片鱗が窺える。
店内は右側にカウンター席があり、左側にテーブル席、そして店主の趣味なのだろうか?壁にはサーフボードが飾られている。メニューを見ると、ラーメンは「中華そば・醤油」、「中華そば・塩」、「煮干しそば」、「濃い煮干しそば」の4種類のみ。一方、トッピングはいろいろとあり、「チャーシュー」、「ワンタン(3個)」、「岩のり」、「のり」、「穂先めんま」、「味付け玉子」、「九条ねぎ」、「自家製ラー油」などが。また、ご飯ものはライスの他、「辛い明太マヨ丼」と「肉味噌丼」、「(九条ねぎ)ねぎ飯」があった。
この店の僕の一押しは「中華そば・醤油」。何と言っても丸鶏でとられたスープが抜群に美味しい。ほんのりと野菜の甘味と程よい魚介の旨味が感じられる。無化学調味料なのでインパクトこそないが、後から旨味がどっと押し寄せてくる。飲めば飲むほどその美味しさが止まらない完成度の高いスープなのである。どこかしら、故・佐野 実のプロデュースした「支那そばや」を彷彿させるようなスープでもある。「中華そば」の麺は、塩も醤油も中細のストレート麺で、コシもほどほどあっていい。具材である火が完全に通る直前のチャーシューや柔らかい穂先メンマ、九条ねぎ、味玉、海苔などの脇役陣もいい。
「中華そば・塩」は、「中華そば・醤油」と同様にスープは美味しいものの、「中華そば・醤油」と比べると若干完成度が落ちてしまう。また、鯵とカタクチイワシの2種類の煮干しを使用しているという「煮干しそば」や「濃厚煮干しそば」は、煮干しの旨味と苦みを感じる。どちらと言えば、「煮干しそば」の方がバランスが良いが、使用している手もみ中太縮れ麺とスープの一体感に欠けるため、どちらもお勧めできない。ご飯ものでは、ピリ辛の挽肉味噌炒めがのっている「肉味噌丼」は、味噌の風味が強すぎてイマイチ。しかし、「辛い明太マヨ丼」は意外と美味しい。
ちなみに、前述のように全てのラーメンに柚子皮が入れられてくるが、僕的にはこれは不要だと思うので、予め入れないように言った方が良いのかも。(2016年4月追加)
中央区南16条西9丁目1-1 松名ビル1階
電話番号:090-8709-9666
定休日:月曜
営業時間:11時〜17時
予算:中華そば(醤油)750円
アクセス:札幌市電・静修学園前電停で下車し、電車通りに沿ってススキノ側に進む。「札幌静修高校」、「アルファ個別予備校(ライオンズマンション静修学園前)」を過ぎた次のベージュ色のマンション(カルム静修学園前)の角を左折して進むと、2つ目の交差点左角にある。静修学園前電停から徒歩10分
最寄りのランドマーク:札幌静修高校
お勧めポイント:かつての「支那そばや」に匹敵する完成度の高い中華そば
このビルの1階ですココです
店内
ラーメンのメニュー
トッピングとご飯のメニュー
「中華そば・醤油」
チャーシューはほんのりピンク色で、完全に火が入る直前の状態
柔らかい穂先メンマと海苔、味付け玉子
このワンタンはトッピング。ワンタンは「中華そば カリフォルニア」の方が美味しい
スープは丸鶏で取られた旨味のあるスープ
中細のストレート麺はコシもほどほどあっていい
「中華そば・塩」
スープは美味しいものの、「中華そば・醤油」と比べると若干完成度が落ちてしまう
「中華そば・醤油」と同じ中細のストレート麺
別盛りで出てきたトッピングの「岩のり」。風味が抜群に良い
後半に岩のりを投入
「煮干しそば」
鯵とカタクチイワシの2種類の煮干しを使用したスープは、煮干しの旨味と苦みを感じる
手もみの中太縮れ麺とスープの一体感に欠ける
「濃厚煮干しそば」
スープは「煮干しそば」と同様に混濁している
「煮干しそば」と同様に手もみの中太縮れ麺
「辛い明太マヨ丼」は意外と美味しい
「肉味噌丼」は、味噌の風味が強すぎてイマイチ