閉店 すし屋 亙(のぶ)inマガーリ

 北海道ナンバーワンイタリアン 「マガーリ (→ 札幌グルメバイブル・イタリアンの頁を参照)」 の2階(つまり5階)に、月一度火曜日にオープンする完全予約制11席の幻の寿司店。実はこの店の店主は、兵庫県淡路市にある「すし屋 亙(こちらも完全予約らしい)」の店主なのである。「マガーリ」の宮下シェフが彼の店を訪れて意気投合し、好きな北海道で寿司を握りたいという思いから、札幌を訪れるようになったという。
 まずは「マガーリ」がある4階でエレベーターを降り、受付で名前を告げて階段を上がる。入口で靴を脱いで上がると、L字型のカウンター席がある。中央に円筒形の換気扇が備え付けられているのが奇妙に思えるが、これはこれから不定期にオープンする予定の天ぷら店「枠(わく)」との共有スペースであるため。イタリアンの中にある寿司店なのでワインしかない?と思われたが、意外なことに日本酒も数種類置いていた。
 店主の坂本さんは、元・日ハムの岩本さんに似た関西人ならではのトークの軽妙さを持ち合わせているため、常に場が和む。話を聞くと、当日の朝に酢飯を炊き、ネタを仕込み、包丁も含めて全てを淡路島から飛行機で持参するという。コースは全員同時スタートのお任せのみで、前半はつまみが続き、後半は握り寿司、そして締めの「巻寿司の茶漬け」で終了となる。この店の特徴は、ほとんどのつまみや握り寿司にスダチや塩を使うことである。また、寿司屋では珍しく“濃口醤油”は使わず、より塩分のある“薄口醤油”を使うのも独特だ。これは魚のポテンシャルを最大限に引き出すために彼が生み出した技法であり、確かに魚を美味しく食べさせる方法を彼は熟知している。これを良しとするか、通常の醤油や煮きりを使った寿司の方が良いと思うかは、まさに好みの問題であろう。寿司の姿はズングリとしていて少し不格好であるが美味しく、福岡県の 「吉富寿し(→ 福岡グルメバイブル・寿司の頁を参照)」 の寿司に似たイメージである。特に、焼き穴子、干し椎茸、ゴマなどを使った名物の「焼き穴子の箱寿司」は最高に美味しい。
 ちなみに、淡路島の「すし屋 亙」では写真撮影は禁止であるが、この店ではシャッター音やフラッシュなど客の迷惑にならない範囲でOKである。(2014年12月追加)

中央区大通西14丁目1-14 NEOビル1階  
電話番号:070-5288-8172
定休日:マガーリの定休日は日曜(すし屋の営業は、冬季を除き、月に一度の不定期に営業)
営業時間:19時スタート(要予約)
予算:1万5千円のお任せコースのみ
アクセス:地下鉄東西線・西18丁目駅の5番出口を出て大通を右へ。ITCセンタービル、ローソンを過ぎ、北海道信用保証協会と光塩学園調理専門学校の並びのビル。西18丁目駅から徒歩6分
最寄りのランドマーク:大通、光塩学園調理専門学校
お勧めポイント:淡路島の名店「すし屋 亙」の寿司が北海道で食べられる

目印となる隣のドーム型の建物

ここの4階まで狭いエレベーターで上がります

まずは靴を脱いで5階のフロアへ

廊下の左側にあります

写真を撮ろうとすると、お茶目に顔を隠した。さすがは関西の方!

しかし、すぐに職人の姿に

北海道では絶対に食べられないアカアシエビは、甘みがあって美味しい!

本マグロの漬け

車エビ

煮穴子を塩で

名物「焼き穴子の箱寿司」

締めの「巻き寿司茶漬け」