Aigues vives エグ・ヴィヴ

 小樽郊外の忍路(おしょろ)にある知る人ぞ知るパン店。小樽方面から向かうと、忍路トンネル手前の道を登った丘の上にある。丘からは石狩湾が一望でき、まるでジブリ映画にでも出てきそうな雰囲気のあるパン屋である。実はこの店、前々から後輩の新明先生から話を聞いていたものの、それ程パンには興味がなかった僕は敢えて行かずにいた。しかしある日、 「ファイφ(→ 札幌グルメバイブル・バーの頁を参照)」 でこの店の「イチジクとくるみのパン」を食べて以来ファンとなった。そして一度行ってみたいという思いが募り、今回やっと実現した。店の前からは石狩湾が一望でき、以前は普通の一軒家だったのをリフォームしたのかと思わせるような佇まいである。
 この店の醍醐味は何と言ってもハード系パンである。特に外側の皮が抜群に美味しいのである。例えば、通常より細めの「バゲット」は、中の生地がスカスカでモチモチしていないが、外がカリッとしていて小麦が香る。生地と皮の両方を楽しみたいという方は、重さを冠したバゲット「500g」か「1000g」がお勧め。僕が特にお勧めしたいのが、「イチジクとくるみのパン」と「ドライチェリーとノワゼ」の2つ。「イチジクとくるみのパン」は風味豊かなクルミとほんのり甘めのイチジクが美味しく、甘酸っぱい後味の「ドライチェリーとノワゼ」と共に、チーズやワインと絶妙な相性を見せる。この他に外がカリッと中がモッチリとしてベリーが香る「木苺のパン」や焼きチーズが香りが何とも言えない「ロデブ(チーズ)」も悪くない。さらに、「クロワッサン」も是非味わって頂きたいアイテムである。食感がきめ細やかで、噛めば噛むほどほんのり甘く、リッチなバーターの香りが口一杯に広がる。真狩村の 「ブーランジェリー・ジン(→ その他北海道の旨い店・道央板を参照)」 のクロワッサンと共に北海道最高レベルのクロワッサンである。また、同じクロワッサン生地を使った「パン・オ・ショコラ」も美味しく、中のビターチョコとデニッシュのバランスがいい。ちなみに、11月〜12月に登場する「シュトーレン」がドライフルーツと生地のバランス、甘さ、しっとり感、全てが最高で、これまで食べた「シュトーレン」の中でナンバーワンであった。これに対し、「キッシュ」はどれもイマイチだった。「サーモンとホウレン草、ベーコン」や「シーフード」、「ジャガイモとドライトマト、マイタケ」などを試したが、海老の風味豊かな「シーフード」が最も良かった。(2013年11月追加)

小樽市忍路1-195  
電話番号:0134-64-2800
定休日:日曜、月曜
営業時間:火曜〜金曜:11時〜18時頃まで、土曜・祝日11時半〜15時
予算:イチジクとくるみのパン(小)525円、ドライチェリーとノワゼ504円、クロワッサン220円、シュトーレン3412円
アクセス:5号線(羊蹄国道)を通り、JR小樽駅から車で10分。
最寄りのランドマーク:5号線(羊蹄国道)、忍路トンネル
お勧めポイント:最高レベルのハード系パンとクロワッサンが購入できる